小学校で英語教育がスタートして、デメリットが強調されています。
母語である日本語で、順序立てて考えて表現する力が十分育っていないタイミングで、
日本語とかなり遠い外国語を学び始めることになるからです。
最悪なことに、落ちこぼれや英語嫌いを増やしてしまっているとも。
親御さんの視点で対策できることはあるのか、ご紹介いたします。
小学校で英語教育が必要な理由
巷間では「小学校で英語教育は必要ない」という言葉が、叫ばれています。
文科省は2011年に5・6年生から外国語活動を始め、2020年に教科化しました。
それには、次の理由があります。
- グローバル化で、すべての業種で英語が必要になる
- 少子高齢化で日本の将来は厳しくなり、AIの登場で求められる個人の能力が変わる
- 中学校の段階で音声から文字への学習に円滑に接続されていない
- 日本語と英語の音声の違いなど、十分理解できていない
- もっと体系的に英語を学ぶ必要がある
- 学年が上がるにつれ児童生徒の学習意欲に課題が生じる
などを、2017年時点で文科省が挙げていました(平成29年告示学習指導要領)。
韓国は1997年から、中国と台湾は2001年から小学校で英語教育を導入しています。
日本と同様の非英語圏でさえ、20年以上先んじて小学校の英語教育を始めているのです。
近年、半導体分野で韓国や台湾企業が台頭して、日本の存在感が危ぶまれつつあります。
こうした背景が、文科省や一部の経営者・学者を焦らせたようです。
しかし、日本の英語改革はまだ中途半端であることが、問題となっています。
中学校で英語落ちこぼれ急増
2024年度全国学力・学習状況調査の経年変化分析によると、中学3年の平均点が低下しました。
なかでも、英語のスコアは下がり具合が23.1と国語・数学よりも顕著です。
この中学3年生は、小学校で英語が教科化した最初の学年でもあります。
次のような、原因が言われています。
- 教科書の難化(中1から動名詞・不定詞を扱う)
- 文法の説明が不十分
- スマホにより読解力・思考力・集中力が低下
- 学校からの過剰な宿題に学習意欲が低下
- コロナ禍で学習機会損失(可能性は低い)
文科省が2017年に課題として挙げていたことが、むしろ悪化したとも言えます。
小学校から中学校への接続が特筆されていたにもかかわらず、現行の教科書は旧来の中1レベルを理解している前提の内容です。
そのうえ、発音・単語・文法の基礎学習がなおざりなっています。
この結果、子供の英語理解に混乱を招いていると言えるでしょう。
従来の中学英語でも、基礎的な文法をなかなか理解できない子供が大勢いました。
日本語と英語は、簡単な文でもかなり違いが大きいことを親御さんもご存じだと思います。
このため、小学校で基礎から英語を学んでいる子供とそうでない子供の格差が拡大しています。
小学校英語のデメリット
小学校英語のデメリットは、中学校で明らかになります。
- 英語の発音がカタカナ英語で、英文の音読ができない
- 英単語が覚えられない
- 日本語と英語で文のちがいが、わからない
いずれも英語の学習では、致命的な欠点です。
この原因は、小学校英語にいくつかあります。
- フォニックス(文字と発音の規則性)を教えるか、意見が分かれている
- 文法は(I am, You are レベルさえ)教えないことになっている
- 口の動かし方など細かな発音指導がなされていない
おかげで旧課程より英語ができない中学生が続出しています。
もう一つ忘れがちな原因が、日本語の読み書き能力が不十分ということです。
- 言葉を使って自分の気持ちや考えを整理・表現する力が欠けている
- 作文の背景となる読書量が足りない
- 客観的で論理的な思考力が欠けている
こうした理由が重なって、英文を正しい語順で書けない中学生がかなりいます。
小学校英語のメリット
では、小学校英語にメリットはないのか?
文科省は昭和の詰め込み教育の反省から、小学校での知識の詰め込みに否定的ですが、
現状、現過程は旧課程よりも暗に詰め込み量が急増しています。
この矛盾が、「学年が上がるにつれて、学習意欲が下がる」ことを招いています。
唯一メリットを挙げるとすれば、英語を話す抵抗感が減っているだけです。
よいことに思うかもしれませんが、ごく限られた場面の応答だけで発展性に欠けます。
使える英会話を身に着けるには、発音・単語・文法の基礎からの積み重ねが大事です。
これら基礎がまるっきり抜けているから、中学生で授業が理解できなくなります。
小学生からできる英語対策
英語は小学校任せだと、中学生で落ちこぼれる原因を説明しました。
お子様が英語嫌いになってしまうと、将来の選択肢を狭めることになってしまいます。
親御さん視点で、小学生のうちからできる対策をご紹介します。
- 日常的に作文と読書をする
- 英語を発音、フォニックスから学ぶ
- 英検5級程度は小学校卒業までに身に着ける
全教科で基礎となるのが、作文と読書です。
なかでも言葉を使って表現する点は、日本語も英語も同じです。
日本語の知識や思考力が貧弱だと、英語も伸びない傾向があります。
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